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8/10「豊かな人生を楽しむ力を育む・・・ 偏差値教育を超えて」をテーマとするシンポジウムを開催しました

高等教育機関はユニバーサルアクセスの時代に入っており、大学の教育の質が問われる時代、本学では8月10日(木)に「豊かな人生を楽しむ力を育む・・・ 偏差値教育を超えて」をテーマとするシンポジウムを開き、新たな時代背景を踏まえた、高校、大学を通じた生徒・学生の生き方本位の教育の在り方を発信しました。

このシンポジウムでは、坂田 弥由(観光学部2年生)さん、金 載原(観光学部2年生)さんの司会の下、まず本学・山本 健慈 理事長が趣旨を説明。「楽しむ力」は、本学大学憲章の3つの社会的使命の第1項目「楽しむ力と生きぬく力の養成」であり、(「現代社会の人間形成上の諸課題を深く認識し、観光と人生を楽しむ力を備えた世界市民の発展を支援すると共に、現代を生きぬく力を備えた観光業・サービス事業等に携わる職業人を養成します。」)「観光学教育だけではなく、現代の教育改革、さらには社会の諸改革にも遡及するキーワード」と述べました。

次いで、本学・山田 良治 学長が基調講演を行い「楽しむ力」とポスト偏差値教育を「世界史から現代を捉える」「日本の近代化の特質―その後発性と急進性―から現代を捉える」の2つの視点から考察。「生きづらさ」の中で「楽しむ力」「生きぬく力」求められていること、いわゆる「学力」から「共に楽しむ力」としてのコミュニケーション力・共感力が求められていること、それが「生きぬく力」として現れる現実を憲章に込めた、と述べました。また、観光学は既存学問領域の蛸壺性を打破する学際性を有し、「自由を共に楽しむ」余暇・観光はあるべき未来社会の基本原理とその実体である自由と幸福を先取りしている、と述べました。

引き続き、本学・渡部 美智子 准教授から「『楽しむ力』へのプログラム『文化鑑賞創造実践科目』の実際と課題」、大阪府立西成高校・山田 勝治 校長から「エンパワメント・スクールからステップ・スクールへ – 地域連携(教育と福祉と労働の連携)で育む生徒の自立」、和歌山県立串本古座高校・榎本 貴英 校長から「普通科高校の改革 – 『地域まるごとキャンパス構想』」をテーマに実践報告、文部科学省・安彦 広斉 初中局審議官より講演・報告を受けた講話が行われました。

この後、安彦審議官と3人の実践報告者を交え、パネルディスカッションが行われました。安彦審議官から、今日的かつ初中教育から大学教育を通貫した「学びに向かう力育成」等の課題提起がありパネルディスカッションを終えました。

最後に司会の学生2人から

「未来の職業について本来はあまり聞くことはできないが、授業で先生と一緒に行くと係員の話とかを聞くことができるので、今まで学校の授業の中で一番楽しんでいます」

「講義の中で和歌山マリーナシティで開催されるイルミネーションに参加しています。運営する会社の方とお話をさせていただく機会や実際に会場に行って楽しんだんですが、お客さんが楽しかったなあとかまた来たいなあと言っていて、私も将来こんな風に人を楽しませる仕事につけたらなって思いました。文化鑑賞の授業を通しとても楽しんでいたので各学年であればいいなと思います。」

と大学授業に関する本音トークがあり、参加者の関心を集めました。

参加者からは

「『楽しむ力』を実感できた、偏差値教育だけでは乗り越えられない壁を乗り越えるヒントを聞けた」

「時代の流れに沿い、教育、育成する力がどう変化しこれから何が必要かわかった」

「新しい視点をいただいた」

などの感想が寄せられました。