Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”
「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際ニュースなどをテーマに、
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千葉・成田山新勝寺における講演のご報告
2024 年 10 月 12 日に、大本山成田山新勝寺・第 40回仏教文化講座において、本学観光学部・佐久間留理子教授が「南方仏教のパリッタ儀礼」と題する講演(招待)を行いました(写真1・2・3)。なお、成田山新勝寺は、成田国際空港の近くにあり、日本人のみならず多くの外国人が訪れる観光名所の一つでもあります(公式サイトhttps://www.naritasan.or.jp)。
〈写真1〉
南方仏教(南方上座部仏教)は、南アジアのスリランカをはじめ、東南アジアのタイ・ラオス・ミャンマーなどにおいて厚く信仰されています。今回の講演では、「パリッタ」と呼ばれる呪文を用いた儀礼について、タイ・ラオスの事例を中心に解説を行いました。この儀礼は、一般の仏教徒が災いを除き幸運を招くために、僧に依頼して寺院や家で行うものであり、人々の普段の信仰生活と深く関係しています。
パリッタ儀礼では、僧が唱える呪文によって聖なる水が作り出され、それが儀礼に参加した一般信者に振りかけられます。それによって浄められた人々は、仏の力により加護されると信じられています。また、この儀礼では、井桁状の九つの区画に惣菜などの供物が入れられ、九星(太陽・月・火星・水星・木星・金星・土星・ラーフ星・ケートゥ星)が供養されることもあります。この九星を用いる方法は、インド占星術の影響を受けていると考えられています。
タイ・ラオスなどの仏教寺院を参観すれば、このような一般大衆と関わる儀礼を目にすることがあるかもしれません。それは、かの地における人々の信仰心を垣間見る良い機会となるでしょう。
文責 観光学部・佐久間留理子(宗教学)
大学憲章 2022「3つの社会的使命」II, III