Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”

「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際ニュースなどをテーマに、
大阪観光大学がお届けするWEBマガジンです。
記事を書いているのは大阪観光大学の現役の教授や学生たち。
大学の情報はもちろん、観光業界や外国語に興味のある方にも楽しんでいただける記事を定期的に公開していきます。
大阪関西万博イタリア館でのイベント(2)
9月30日のイベントのテーマは、「ピエモンテと日本を結ぶ芸術の庭園」。マリーナ・キアレッリさんから、「生きている文化遺産」である庭園を良好な状態に保つためには庭師の技術の維持向上が不可欠であり、ピエモンテ州ではそうした事業にも取り組んでいる旨の報告がありました。私からは、日本でも「文化財庭園保存技術者協議会」が同様の目的で活動していることをコメントしておきました。キアラ・テオラートさんからは「サヴォイア王家の王宮群」の庭園についての紹介がありました。そのなかで、近年植えられたサクラが人気を博しており、イタリアと日本の架け橋的な存在になっているとの話がありました。オーセンティシティの観点からすると、歴史的庭園周辺で造営時などに植えられていなかった外来種を植えることには異論もあろうと思いますが、生きている文化遺産として積極的に現代的活用を促進するという立場にたてば、こうした植樹もありかもしれません。また、私のトークでは、日本とイタリアはいずれも全土的に様々な様式・時代の歴史的庭園が遺る稀有な国であることを指摘し、日本およびイタリアの歴史的庭園を写真で紹介しました。そのなかで、ピエモンテ州所在のイタリアン・バロック庭園であるイゾラ・ベッラももちろん紹介しておきました。
イタリア館でのイベントのモデレーターの依頼があったのは開催の1週間前でした。引き受けるかを迷ったのですが、やってみてピエモンテの世界遺産や庭園について知ることができ、私自身も大変勉強になりました。
ピエモンテ州マジョーレ湖の
イゾラベッラ長谷川祐子さんのトーク