Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”
「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際ニュースなどをテーマに、
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韓国のダークツーリズム探訪(2) :民主主義の聖地 国立4・19民主墓地を訪ねて
新型コロナウイルスがはやり始めている先月11日午後に、ソウル市内の端にある「国立4・19民主墓地」に行って参りました。4・19民主墓地には、人の影も少なく、ゆっくりした時間が流れておりました。
北漢山を背景にした4・19民主墓地は、4・19革命 の犠牲者が眠る合同墓地で、犠牲者を称えた記念塔と4・19革命記念館が併設してあります。4・19革命では、民主主義への熱望を体現した事件で、このときに命を失った185名の魂が眠っています。毎年4月19日前後になると多くの人が訪れる名所のひとつでもあります。
4·19民主墓地は、1960年3·15不正選挙の権力に立ち向かって憤然と立ち上がった民主英雄を祀る墓地です。権力の銃刀に屈せずに自由民主正義の実現のために身をささげた英霊が民主主義聖地の主人公です。
4·19革命は、民主的デモを通じて独裁の桎梏を退けて民意が反映された政治体制をもたらしたという点で世界的に類例がないものです。先烈の精神は「4·19民主理念を継承して」という憲法の表現どおり、いまの時代に住む人々が引き続かなければならない誇らしい遺産でもあります。
民主英霊と民主革命の意義、愛国、報勲精神を熱く交感することができるように努力しないといけないと、特に、民主主義と政治に対する知識と意志を植えつける「教育の場」としていけないとも思います。最後に、「4月学生革命記念塔」の碑文を刻みながら終わりたいです。
1960年4月19日わが国の若者たちの血管の中に正義のためには命を能く投げ捨てることが出来る血の伝統がほとばしる事を歴史は証言している。
否定と不義に抗争する数万名の学生の隊列は意気の力で歴史の車輪を正しく立て、民主の祭壇に血を流す186位の若い魂たちは尊い守護神になった。
毎年4月になると春を先駆するレンギョウのように民主の花たちを人々の心ごとに蘇え咲き始めよ。
四月革命とは、1960年3月に行われた第4代大統領選挙における大規模な不正選挙に反発した学生や市民による民衆デモにより、当時、第四代韓国大統領の座にあった李承晩が下野した事件。最も大規模なデモが発生した日が4月19日であったことから、4・19革命、4・19とも言う。また、革命後一年足らずで朴正熙少将らによる軍事クーデター(5・16軍事クーデター)が発生して、自由が抑圧された長い軍政時代に突入したため「未完の革命」とも呼ばれている。