Tourism passport web magazine

学校法人明浄大学 大阪観光大学

〒590-0493
大阪府泉南郡熊取町
大久保南5-3-1

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大阪観光大の学生や教員が運営する WEBマガジン「passport」

Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”

「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際ニュースなどをテーマに、 大阪観光大学がお届けするWEBマガジンです。
記事を書いているのは大阪観光大学の現役の教授や学生たち。 大学の情報はもちろん、観光業界や外国語に興味のある方にも楽しんでいただける記事を定期的に公開していきます。

空想旅行をして幸福になろう

旅行の楽しみは3つあるといわれます。旅行前の楽しみ、旅行中の楽しみ、旅行後の楽しみです。旅行前の楽しみは、どこへ行こうか、何をしようかとあれこれ計画を立てる楽しみです。旅行中の楽しみはもちろん、旅行することそのものの楽しみです。旅行後の楽しみは、旅行の思い出にひたったり、同行した家族や友人とその思い出を分かち合ったりする楽しみです。楽しみは、幸せや喜びと言い換えても当てはまるでしょう。

旅行がもたらす幸福感について、面白い研究[1]が報告されています。オランダの研究者が、休暇をとり旅行することが、人の全体的な幸福感とその持続期間に与える影響を調べました。彼らは1,530人のオランダの成人の幸福度を調べました。そのうち974人は、32週間の調査期間中に休暇を取り、旅行にいきました。

調査の結果からわかったことが、3つあります。1つ目は、旅行を計画し期待することによって幸福感が上昇し、その効果は8週間にわたって続いたというものです。2つ目は、休暇を取り旅行した人の幸福感は、旅行することで上昇したが、旅行が終わるとすぐに元の状態(ベースラインレベル)に戻ったというものです。3つ目は、旅行がストレスに満ちていた、あるいは普通だった(ニュートラル)と評価した人の旅行後の幸福感は上昇しなかったというものです。旅行後に幸福感が上昇したのは、休暇中の旅行で非常にリラックスしたと感じた人たちのみでした。これらの人々については、休暇中の旅行による幸福感の上昇は、旅行後2週間続いてから元の状態(ベースラインレベル)に戻りました。

以上の結果からは、旅行による幸福感の上昇の大部分は、旅行の計画を立て、期待を持つことからおこるものであり,しかも長期にわたってその効果が続くが、旅行すること自体は大して幸福感を上昇させず、効果は限定的だということになります。調査したオランダの研究者たちは、旅行中に幸福感が上昇しなかった理由として、旅行相手との意見の不一致や体調不良などで、旅行そのものがストレスを与えるものであった可能性を挙げています。また、旅行後に幸福感が続かない理由の1つとして、仕事に戻るというストレスを指摘しています。

このようなデメリットを避けて幸福感を上昇させる方法があります。それが,旅行の計画を空想することです。夢想するといってもいいかもしれません。憧れの国や大好きな観光地にいる自分を想像して,だれと行くか,そこで何をするのかなどを,微に入り細に入りできるだけ詳しく想像するのです。それだけで,幸福感が上昇し8週間も続く可能性があるのです。実際に旅行に出るには,時間やお金の問題が影響します。同行者とのトラブルや,帰ってからの仕事の山もストレスを与えます。しかし,空想旅行ではそんな制約やストレスはありません。思うさま空想の翼を広げて旅行を計画し,幸福感を上昇させてみませんか?

[1] Nawijn, J., Marchand, M. A., Veenhoven, R. and Vingerhoets, A. J. (2010). Vacationers Happier, but Most not Happier After a Holiday. Applied Research in Quality of Life, 5, 35-47.

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