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スタジオ・学外研修(於:四天王寺)の報告

2022年5月2日に、四天王寺(大阪市天王寺区)においてスタジオの学外研修を行いました。
 同寺院は、日本を代表する古刹の一つであるとともに、優れた美術工芸品や仏像・経典等を有することでも広く知られています。

当日は、四天王寺宝物館で開催されていた春季名宝展「聖徳太子と四天王寺:太子と歩んだ1400年」(国宝4件、重要文化財12件を含む寺宝が公開される)と境内を見学しました。宝物館の展示品には、例えば、「扇面法華経冊子(せんめんほっけきょうさっし;国宝)」(扇の表面に貴族や民衆の風俗、また、小動物や植物が描かれ、その上に『法華経』の経文が書写されたもの)のように、平安時代の優雅で繊細な美を表現した至宝がありました。また、舞楽(ぶがく)の面と装束(重要文化財)・笛・大太鼓(だだいこ)のように、四天王寺の聖霊会(しょうりょうえ;聖徳太子の忌日の4月22日に行われる法会)等で演じられる「天王寺舞楽」に関連した品々も陳列されていました。舞楽のルーツは、古代朝鮮半島にあった百済(くだら)の国の味摩之(みまし)という人物が伝えた伎楽(ぎがく)と言われ、これらの展示品から古代の日本と大陸との国際交流に思いを馳せることができました。

同寺院の境内では、「天王寺舞楽」が演じられる石舞台、中心伽藍(写真1)、約1400年前に製作された亀形石槽が残る亀井堂、「日想観(じっそうかん;夕陽に向かって礼拝し、西方極楽浄土を観想する行)」が行われてきた西大門(極楽門)の周辺(写真2)、丸池の付近(写真3)等を散策しました。約2時間程度の研修でしたが、学生のみなさんは熱心にメモをとりながら見学し、四天王寺に関する歴史文化を学ぶことができました。今後、このような歴史文化遺産を観光資源として活用するとともに、その魅力を日本のみならず海外にも情報発信する方法を学生と一緒に考えたいと思います。

以  上 

参考文献:石川知彦(監修)『聖徳太子と四天王寺』法蔵館(2021)

文責:大阪観光大学観光学部・教授(宗教学) 佐久間 留理子
(大学憲章2022・10の約束・行動指針Ⅲ)

写真1 四天王寺式の中心伽藍
写真2 西大門
写真3 丸池